プライド
Posted in 土・しっくい・珪藻土壁
エコ・クイーンをよく使っていた左官がここしばらく、注文が無かった。
久しぶりに会ったのでエコ・クイーンの情報を聞いた。
エコ・クイーンは大壁は難しいので使いたくない。
ずいぶん色むらが出て、クレームで塗り直して
赤字をずいぶん出したとの事。
今はカタログを3種類見せるようにしている。
選ばれるのは、エコ・クイーンは少ない、カラーとか、パターンで選ぶ人が多く
機能性の差を聞く人は少ないそうである。
最近も丸々珪藻土壁を塗る家があり、樹脂で固めたメーカーのものを
お客さんが選んでくれたのでほっとしたのだそうだ。
素人の人は珪藻土壁の種類を知らないから有り難いと話していた。
私が そのメーカーの珪藻土壁が機能的に駄目なことは知っているんだろう。
お客様に後で分かったらどう答えるんだいと聞いたら。
知らなかったと答えるのだそうだ。
知らないのならそれは仕方の無い事である。
知っていて、教える事をせず、その上知らなかったですではこれは嘘つきになる。
ここには左官としての自尊心も、誇りもない、ただお金儲けだけでは無いだろうか。
左官は難しい壁は徐々になくされて繊維壁みたいな楽な壁を塗るしかなかった
いや喜んで塗ってきたのではないだろうか。
塗りやすい、失敗をしない、楽に塗れる壁をメーカーに要求してきたのが左官業界である。
楽な壁、簡単にできる仕事に感動があるはずも無い。
左官業界は繊維壁で敗北し、再び楽な珪藻土壁で敗北する事であろう。
志のある、若い左官の出現を期待したいし、メーカーにも日本のためになる本物の塗り壁の提供を期待したいものである。