壁・床コンクリート直仕上げは欠陥工法と思う

壁コンクリート打ち放仕上げ、床コンクリート直均し仕上げは欠陥工法と思う
第一にコンクリート打ち放仕上げは仕上げといいながら、左官が下地調整
「厚み1mm以下・1~2mm・3~10mm以下の三段階に分かれる」という薄塗、
補修と呼ばれる薄塗、誤差の調整の薄塗をしなければ
塗装、吹付、クロス、タイル、床シート貼り等の各種仕上げが出来ないのが
コンクリート打ち放し仕上げであります
厚みが三段階に分かれていることも問題で、分かれていれば当然歩掛りも
三段階に分かれるべきであるが
国交省監修の「積算基準」の左官工事の細目には下地調整の項目、歩掛りも無い
また三段階の歩掛りもないので積算の方法がないのが下地調整である
また国交省の打ち放し面補修の見解はコーン処理と目違い払いであり
施工は特殊作業員であり
左官の仕事ではない
しかし、設計業界、ゼネコンの打ち放仕上げ補修の見解はコーン処理・目違い払い・下地調整を含む
ものであり、国交省の見解と異なっていている
また厚みの基準も明確にされていない
このため左官の会社ごとに打ち放仕上げ補修の基準をつくり、見積もりをしている現状がある
この見解の違いが左官業界を混乱させているのである
第二に壁、床コンクリート直仕上げは3mで7、10mm (床散り回りは3mで3mm)の
平坦さの誤差を認めている仕上げですが、各種仕上げの段階で限りなくゼロの精度、程度を求めます。
日本人の美意識は曲がった角、入隅、散り回り、面の誤差は認めないからです
故に誤差をゼロに近づける調整の為に左官技能者を必要としています。
第三に躯体つくりで、最初から仕上げに誤差を認めている点
又躯体業者が努力しても規定の精度、程度が確保出来ない点
本来仕上げは失敗すれば失敗した仕上げ業種が直すのが常識である
コンクリート壁打ち放仕上げは型枠、鉄筋、土工、コンクリート圧送の共同作業であり
躯体業者はコンクリート打ち放仕上げを失敗しても直す、補修する技能がなく
左官技能者を必要とすることです。
第四に壁、床コンクリート直仕上げの仕上げには左官技能者を必要としますが
下地調整、補修、誤差の調整の薄塗では左官技能の習得、維持、継承ができないことです。
左官の鏝は厚い重い鏝・壁を平らに塗る、薄い軽い鏝・塗った表面を押さえ磨き仕上げる鏝の二種類ある
(ゴルフの道具でいえば、ドライバー・アイアンとパターに例えられる)
薄塗は薄い軽い鏝(パター)しか使用しない工法である。
パターのみでゴルフはできないように、薄い軽い鏝しか使えないような左官は左官とは呼べない
現代建築は厚い重い鏝を使用する壁塗りが無く
平らな壁を塗る左官技能の習得、維持が不可能になっている。
左官は壁を塗って仕上げてなんぼの世界である
塗ることは訓練すればマスターできるが仕上げは感性、カン・コツの領域である
これは現場で壁を仕上げて覚えるしか方法がない
ゴルフも練習場でいくらいいショットを連発しても、コースでいいスコアを出せないようにである
第五にコンクリート直仕上げの下地調整、補修、誤差の調整の薄塗は
本来の左官の壁塗りより、技能を必要としない簡単な工法であり
本来の難しい技能であるところの左官技能の
矜持、誇り、生きがい、やりがいが持てないことであります。
第六に壁コンクリート打ち放仕上げA種ですが
左官、または左官特殊技能者が仕上げをしなければ、仕上げは完成しないのですが
施工工事会社は、そのことを公表していないことです。
安藤忠雄氏の打ち放仕上げ建築も左官技能者が手を加えないと
完成しないと聞いています。
建築を仕上げる技能者を養成できない工法、建築はおかしいと思う
以上の点から壁、床コンクリート直仕上げ、コンクリート打ち放仕上げは欠陥工法と思う次第です。