空気は見えない
空気は見えない
娘の結婚が決まり、相談を受けた
築6年の彼の家に行った。全室壁はビニールクロスである
鼻水とくしゃみが止まらず気分が悪くなったと言う
娘は珪藻土体感ハウスに住んで空気に敏感だからかと思っていた
結局、娘の希望を彼が聞き入れて全室、珪藻土壁を塗ることになった
塗替えが進んで、仕上げ程度を見に行った
確かにビニールクロスの部屋の空気が悪い
生活臭だけでは無いようだ
彼に聞いたところ、入居当初はにおいがきつく、暫らくの間
窓を開け放してからでないと家に入れなかったという
でも新築の家のにおいはこんなものかなと思っていたそうである
偶然懇意にしている設計士の事務所が彼の家の前である
設計士にも珪藻土壁の部屋とビニールクロスの部屋との空気の
違いを体験してもらった。確かに違うと言う
空気は見えないがこんなに違うとはと感じていただいた
平成15年に建築基準法が改正され
シックハウス対策が平成15年7月1日から施行されている
化学物質による室内空気汚染を防止する為の規制である
1. 規制対象とする化学物質は
クロルピリホスとホルムアルデヒド
☆ クロルピリホスに関する規制
居室を有する建築物には、クロルピリホスを添加した建材の使用を禁止する
☆ ホルムアルデヒドに関する規制
〇内装仕上げの制限
★ 居室の種類及び換気回数に応じて、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限を行う
〇換気設備の義務付け
★ ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置を義務付ける
〇天井裏等の制限
★ 天井裏については、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建材とするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする
ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は(0.08ppm)である
ちなみに建材に刻印されているF☆☆☆☆(フォスター)はホルムアルデヒドの発散速度の区分で(0.05ppm以下)のものをいう
要するにF☆☆☆☆はホルムアルデヒド0.05ppm出る建材ということである
エコ・クイーンは素材が珪藻土と石灰の成分でありホルムアルデヒドを発散しないのでF☆☆☆☆は採っていない
クロルピリホス使用禁止の理由は
通常の換気では室内濃度を指針値以下に抑制する事は困難である事と
指針値の設定が0.00007ppm(小児の場合、0.000007ppm)極めて微小にされているため換気困難な事が理由である
法律が施行されているのだからクロルピリホスが添加された建材が使用されていないことを信じたいものである
しかし、家具、電気器具、カーテン、OA機器等は規制対象ではなく、クロルピリホスが発生している可能性はあるのでは
空気は見えないだけに安心して安全な空気の家に住みたいものだ
日本の未来を担う子供達の明日の為に設計業界、建築業界に室内空気汚染の無い建築を提供して貰いたいものである