おとこざかりは百から

日本近代彫刻を代表する一人の彫刻家平櫛田中氏の言葉である
氏は107歳でなくなるまで現役で彫刻し続けた。
「おとこざかりは百まで」は90代後半から言ったと言う
東京三宅坂の国立劇場ロビーに歌舞伎の六代目尾上菊五郎をモデルにした
高さ2mの木彫りの「鏡獅子」が据えられている
舞台の一瞬の緊張をあまさず表現している。華麗で気迫に満ちた眼光が鋭い
構想から約20年完成当時86歳であった
氏が終生大切にした言葉は「守拙救真」
師の岡倉天心に言われた「売れないものをお作りなさい」の言葉にも通ずる
その生涯は苦難続きで貧乏暮らし中で長女、長男を失い、戦後は妻にも先立たれた
氏は
「6070ははなたれこぞう」
「いまやらねばいつできる
わしがやらねばたれがやる」 と言う言葉も残している
日本の子供達を劣悪なる居住環境からエコ・クイーンで救い出したいと念願して15年
道は未だはるかである
平櫛田中氏の言葉に励まされた一日であった