職人不足

東日本大震災で被害の大きかった岩手、宮城、福島で公共工事の入札不調が続いている
昨年12月の土木工事の入札不調は
宮城県45%
福島県51%で入札が成立しなかった
国土交通省は14日人件費の高騰に合わせて工事の発注価格を引き上げる緊急対策を決めたそうだ
通常は年一回3月に改定しているが今後は被災地の状況を踏まえて
3ヶ月に一度ぐらい見直す方針なそうである
これで職人不足が解消できれば苦労は無い
金で動くような職人はたいしたことはない
職人不足の根っこは深いものがある。
特に技能要素の高い伝統的な職種は工業化工法の普及により徹底的に
建築から邪魔扱いを受けてきた
職人は現場でしか養成できない
今の建築は職人を養成出来る設計になっているのだろうか
建築家に聞いてみたいものである
茨城県左官工業連合会ではかって県内に17支部の組織があり、700名の会員がいた。
現在は4支部で各支部とも10名足らずの会員である
茨城県では都市によっては左官が皆無の都市も出てきている
左官の塗り壁を設計から、建築から徹底してなくしてきた成果であろう
職人不足は型枠、鉄筋、内装工の不足が問題になっているようだが
左官の不足はあまり聞こえてこない
他の職種はある程度他職がお手伝いできるだろうが
左官の仕事は左官でなければできない
設計図書上は左官の仕事は無いのだが現場においては左官がいなければ建築は完成しない
タイル、吹付け、ビニールクロス、塗装等の仕上は左官が下地を仕上ないことには出来ないのである
左官の高齢化はあまり問題にされていないが現在60歳以上の左官が主力なのだ
熟練の技能を持つ左官のリタイアが目前に迫っているが
官庁、設計、建設業界は左官がいなくても困らないと思っているとしか思えない