時間
イタリアの靴ブランド「トッズ」
そこに100個以上のゴムの突起を付けたモカシン「ゴンミーニ」で有名なイタリアの靴ブランド「トッズ」。
20世紀初頭から3代続くファミリービジネスである。
職人歴43年のベテランのトニーリパーニさん
「自然死した動物の皮は柔らかいが食肉用の動物の皮は硬いのです」と指だけを頼りに一瞬で判断する。
ハイヒールのヒールは20年の職人が削って揃え
縫製も20年の職人が太さ1ミリのろう引き糸で縫い合わせるのだ。
出来上がったサンプルは機械の検査以外に二人のモデルが
芝生とコンクリートを何キロと歩いて試して不具合を直す。
「トッズの」広報は語る。
「手仕事は経験でしか学べません。時間はかかりますが、人を育てることが最大の投資です」
職人は時間でつくられるのだ、経験とは時間である。
合理化は時間を削り時間をかけない。
現代建築は生産性向上の為にさらに、職人を減らし時間を削ろうとしている。
これで人を感動させる腕の良い職人が育つものだろうか。