建築の目的

ゼネコンの研究所で、研修生の宿舎を建築している

PC造りの構造である

PCの品質と精度が良く、当初PC面を左官でモルタルを薄塗する工法だったが中止になった

技能工不足で、技能工の工数を減らす為に,PC造り,S造りが多くなっている

基礎工事が終わって、あっという間に躯体が完成した

この建築には、型枠、鉄筋、左官、大工の仕事は殆ど無い

建築は工期の短縮、生産性の向上を目的に技能工を減らす建築に熱心だが

技能工を育てる建築には関心が無いようである

技能の継承は親方から弟子へ、職人から職人へ、実際にモノをつくって教える以外に方法はない

建築の目的の一つに、技能工、作り手を育てる、技能を継承する目的がある

残念ながら今の処、技能工を育てる建築を設計する考えは建築業界には少ないようだ

左官を育てるために塗り壁の採用をお願いしても返ってくる答えは

官庁、ゼネコン、設計家異口同音に、予算が無い、お金が無い,工期がないである

なかには左官の塗り壁は贅沢であるという人もいる

この技能工のいらない設計の建築でも、技能工はゼロではない

左官を始め技能工が完成させるために仕事をしている

しかしその仕事では技能継承は不可能であろう

建設業に若者が入って来ないという

こんな技能工にとって夢の無い建築ばかりが増えたら

若者に建築のものづくりの魅力を伝えることができるのだろうか

暗澹たる思いである