匠の技

トヨタでは工場の機械化が進む中で、「匠の技」重視する人事を発表した

技能職出身のいわゆる現場の「たたき上げ」「技能職トップの「技監」

河合満氏(67歳)を専務役員に抜擢した

そこには平成20年のリーマンショック後のトヨタの失速があった

平成21年3月期に営業赤字に転落したのだ

トヨタは「量を求める」工場から「競争力のある」工場への転換を図った

「他にまねのできない競争力」の核となるのが自動車生産を支えてきた

「匠」と呼ばれる熟練工の「技」であった

板金や溶接、塗装の機械にも「熟練工」の「技能」が移植されている

「自動化、ロボット化というのは、「高い技能」を(機械)の技術に置き換えて

相互に高め合うこと。

「日本の製造業の強さはそこにある」

技能を伝承するために

23年には溶接など一部の作業を「手作業」に戻している

世界で勝つトヨタの車を作るには人間の「匠」の技が必要なことをトヨタトップは知っているのだろう

翻って現代建築はどうだろう

左官、大工、建具等、日本の建築文化を支えてきた熟練技能を必要としない

建築をつくり続けているのではないだろうか

職人不足、予算不足で建築はRC造からS造へとすすんでいる

熟練技能者は現場でしか養成出来ないのだ

職人不足は技能工不足でもある

一時的に技能工不足は解消するであろうが、S造だけでは技能工の養成は難しいと思う