美意識

 渡辺京二氏の逝きし世の面影は明治の初めに日本に来た、外国人の日本について書き残した内容の

紹介である。

 外国人の日本人、生活習慣、身の回りのもの、家、あらゆるものに対する賛辞である。

一部に批判はあるが、殆どが賛嘆である

 日本人の生活空間、使用している生活用具、備品は芸術品であると讃えている。

それをつくり支えてきたのが名も無き職人の職人文化であったと思う。

日本のものは美しいという。

それは日本人の美意識が高いからであるとも言われている。

 日本人の美意識の源泉は日本の自然、四季の織り成す風景にあるといわれます。

産経新聞19年10月5日号の「未来に残したい日本の美しい自然」を見るとさもありなんと思う。


 外国人が感嘆した日本の家の美しさは職人の鍛え上げられた技能の結晶である。

 ナチュラル、自然志向の家というキーワードでデザインされた家を見る機会があった。

塗り壁は、でこぼこ、目地も、切り付けも、散りまわりもへなへなである。

使用している柱、板は古材を使用しており、とても美しいとはいえない居住空間であった。

 自然と言う事と、職人の技を必要としないと言う事とは少し意味が違うのではないかと思うのだが。

自然とは素人が作ったもの、職人の技能を加えないものと思っているのかも知れない。

 美しい居住空間に住む事により、子供達の美意識が育まれ、育っていくものであると思うのである。

鉋もかけない柱、板、でこぼこの壁で日本人の美意識が育つかは疑問に思う。