伝統技能

(一社)茨城県建築事務所協会主催の茨城県建築関連団体交流会で
意見交換の課題に出した意見である
「大工、左官、建具、板金といった伝統的技能と言われる業界は建築の乾式化に伴い
仕事が無く、衰退を余儀なくされてきました
文化財の補修だけでは、技能の維持、継承、習得は難しい状況です
設計業界にお願いしたい事は、伝統技能が継承できる、職人が育つ設計をお願いしたい
現在の建築では伝統技能の職人は養成不可能である」
会の反応は冷たく、あやうく無視されかけた
建設業界に若者が入って来ない、技能者は高齢化している現状を
正しく理解しているのだろうか
伝統技能の職人は徒弟制度で養成されたが、その制度が無い
建築に伝統技能の仕事が無い現状で伝統技能の職人を
養成してくれといわれても無理というものだろう
大工、建具、板金(屋根を除く)の職人は居なくても現代建築は完成するだろう
しかし、建築にコンクリートを使う以上左官技能者は設計上いらないと言っても
現場では絶対必要なのだ
建築家に理解してくれる人はいないのが悲しい
左官がいなくなって現代建築が完成できない時代がこないことを祈るばかりである