若年労働者

日経ビジネス2013.2.11
建設業を脅かす若年労働者不足の記事である
安倍政権は今年度公共工事を増やすという。
バラマキ、単なる箱ものではなく耐震対策、インフラの維持、老朽化対策に重点化するという
喜ばしいことであるが
インフラ維持運営の担い手として期待される建設会社の側では、将来の存続をも左右する
異変が広がっている
仕事があっても労働者が集まらず、極度の人手不足に陥っているのだ
建設業の新規求人倍率は直近では全産業の平均を大きく上回り、3倍を超える水準で
推移している
原因は建設現場で働く24歳以下の若者が年々減少していることだ
2008年は1992年の三分の一にまで減少している
こうした状態では
いくら公共事業の予算を増やしても、実際の工事は進まず、雇用創出や景気回復に
結びつかない可能性が高い
若者は同様に、土木技術者も敬遠している
大学の土木技術学科を志望する高校生が激減
志願者を増やす狙いで学科の名称を「環境工学科」などに変更する大学まで出ている
こうした状況を好転させて技術者や労働者の減少を食い止めないと
国内の建設業は崩壊し、日本のインフラは朽ち果てていくだろうと
警告している
過日水戸市内の某専門学校に建築科卒業生の求人に訪問した
校長のお話では今年の卒業予定者は10人で最盛期の三分の一に減ったという
茨城県では県内各地にあった職業訓練校の左官科は応募者が皆無で
無くなって久しいものがある
これは茨城県だけの現象ではなく日本全体のことだと思う
リーマンショックの時、新築工事が凍結、延期になった
追い討ちを掛けるように民主党政権は公共工事をコンクリートから人へと3割近く
減らした影響で当時工事量が半減して多くの若者が建設業を去っていった
職人単価も下げられた
ここに来て型枠、鉄筋職人の不足で単価が上げる動きが出てきている
建設業界は忙しくなると職人単価を上げ、閑になると単価を下げてきた
今度職人単価を上げて若者が建設業に戻ってくる、入職してくるか疑問に
思うものである
又今の建築にものづくりの感動、喜びがあるのだろうか
工期が短い現場が多く、躯体の職人不足でなお工期が遅れ、仕上げ業者は日曜日返上で仕上げている
工業化、効率性、スピードが求められ工期の掛かる
伝統的な建築技能、左官、大工、建具職人は現場から激減した
若者は仕事に社会に貢献出来る感動と喜びと誇りを求めていると思う
根本的に建設業は建築にものづくりの喜び、感動、誇りを取り戻していかなければ若者は戻ってこないと思う