学校の珪藻土壁

水戸市は東日本大震災で大きな被害を受けた
その一つに学校施設がある。
水戸市には多くの私立の高校があり
その一校が震災で大きな被害を受け建て替えた
3月着工で、12月完成の工期の短い学校だ
営業が実って教室の壁、天井に珪藻土壁の採用が決まった
設計事務所、高校の理事長、作業所長にエコ・クイーンの説明に伺った
皆さんに珪藻土壁には違いがあること、珪藻土壁の機能に大きな差があることを説明し
漆喰系珪藻土壁「エコ・クイーン」の良さを理解していただいた
しかし作業所長の話では工期が短く、予算も無いので珪藻土壁はあまり使いたくない
まして施工が難しいと聞いているエコ・クイーンは使いたく無いと言う話であった。
新しくなる校舎の一番の期待は理事長も父兄も生徒も珪藻土壁の採用にあると
設計の担当者が話していた
しかし残念ながらエコ・クイーンは塗られなかったのである
採用したのは合成樹脂で固めた珪藻土壁であった
この壁は茨城県の公共建築でカビが発生した珪藻土壁であり
調湿機能の少ない珪藻土壁として知られている代物である。
珪藻土壁を塗った学校としてPRしている理事長、珪藻土壁の教室の快適さを待っていた
生徒にとっては知らぬが仏である
知っているものとして左官として残念極まりない
設計事務所、建設会社、左官が珪藻土壁の違いを分かっていて
呼吸機能の少ない樹脂入りの珪藻土壁を採用したのであれば
建築に携わる者として恥ずかしい限りである