つくりてとしての哲学

バカの壁の著者として有名な解剖学者の養老孟司氏が
新春対談で某スーパーゼネコンの社長と対談した
最後の方で建設業対する提言を述べている
もう少しつくり手としての哲学みたいなものが見えるようになったら良いと思います
仕事を具体的に進めていると、人間というのは本来の目的や目標を忘れてしまうところがあります
どうしても手続きや手段に集中してしまう
典型的なのは官僚だと思いますが、それだけではやはり具合が悪い
だから例えば東京というのは住みやすい都市なんだろうかと考えてみる
そういう哲学的な視点がどこかにないと、言われたままにつくってしまう結果になりがちです
仕事というのは世のため人のためにするものだと私は思っています
この年になってそう考えるようになったのですが、結局、それに尽きるわけです
そういう意味では、大きな視野の中で現在の仕事がどういう位置にあるかということを
理解しておく必要もあるのではないでしょうか
戦後は大変な建設の時代でした
がれきの状態からこれだけのものをつくり上げてきたわけですが
それが本当に誇れるものになっているのか、もう一度問うて欲しいものです
と述べている
戦後の大変な住宅不足を解消する為に工業化工法採用され、大工とか、左官等の技能職は建設業の合理化、効率化、大量生産には不適で真っ先に無くされててきたと思う
パイプハウスで有名な大和ハウス工業の企業理念は「建築の工業化」である
さらに工業化の建築をつくる方針なようである
徹底した工程標準化と規格品の採用で品質向上とコスト低減、工期短縮を目指している
建築は命と心を持つ人間が生活し、働く場所である
心身がイキイキとして、くつろげる、癒され、過ごせる考え方も建築には必要と思うものである