リタイヤ

年末から年始にかけて警視庁では出頭してきた容疑者の「門前払い」と任意同行中の
容疑者が自殺するという不適切な事案が発生した
 警察庁の幹部は緊張感の欠如と職務に対する慣れが不適切事案を生み出していると指摘する
警察庁では全国で平成27年度までの10年間に毎年1万人以上の警察官の退職と採用が続く
「大量退職時代」迎える
警察庁幹部は
「教科書に載っていない捜査の心構えのようなものが若手に上手く伝承されていないのではないか」
と協調して、こう続けた「真中を貫く大事なものが一本、抜け始めているような気がする」と
翻って建設業はどうだろうか
 不況で採用を手控えてきたゼネコンは最近採用を始めたが、技術の伝承に困っているようである
監督だけではない
職人不足をあと十年、あと十年と先延ばしてきた職人の世界はもっと深刻だ
徒弟制度は職人の技能を伝承するのに最高の制度であったと思う
徒弟制度で曲がりなりにも残っていたのは昭和30年代までであろう
当時は進学せず中学校卒で若者が職人の世界に入ってきた
5年間の年季奉公、1年間のお礼奉公をして1人前の職人として認められた
この間は給料は無く、小遣いであった
月500円から、1000円であったと聞く
6年間のハングリー時代が職人魂、最高の技能を身に付けさせたと思う
この年代が60歳を超えている リタイアが始まっているのである
監督は若い人が入ってくるからまだいいだろうが
建築の伝統的技能職、大工、左官、建具の世界には若者は殆ど入ってこない
型枠大工、鉄筋、土工の職種も少ないと聞く
技能習得は10年、リタイヤは一瞬である
このままでは遅からず技能の伝承は途絶えるだろうし
職人魂、職人の心構えといった職人精神の伝承も危ないと思う