熱燗
御酒はお爺さんも、父も好きだったので遺伝的に嫌いなわけはなく、
嗜む程度に飲んできた。
最近は夏でも熱燗である。特に熱めがよい。
酒はぬるめの燗がよいと八代亜貴の船歌にあるが、熱くなければ熱燗ではないのだ。
赤ちゃんの頃から腸が弱くて、よく消化不良を起こして病院通いが絶えなかったと母はいう。
大人になってもよく下痢を起こした。バナナのような立派なものは出た事がなかった。
中年になって姉二人が笑いながらお前には悪い事をしたと白状した。
上の姉10歳上、下の姉3歳上である。
私は19年生まれ、母は農家で野良仕事で忙しく、面倒を見たのが姉二人。
母乳の出が悪くミルクであった。
終戦間際で甘い物が欠乏していた。
姉が言うには、ミルクは私達が食べてお前には米の粉を溶いて飲ませたんだよ。
悪かったね謝られたが昔の事である、兄弟で笑いあった。
道理で腸が弱かったわけである。
夏は冷たいビール、冷たいものが大好きでしょっちゅうお腹をこわしても
これは生まれつきと思って諦めていた。
東大出の医学者西原克成氏の本で、健康法3つを教えられた。
1.鼻呼吸
2.腸を冷やさない。冷たいものを飲まない、食べない。
3.骨休み
西成先生の説では冷たいものを食べたり、お腹を冷やすと小腸の繊毛が働きを止めてしまう為
栄養、水分が吸収できないのだそうである。
そういえば昔の職人はふうてんの寅さんみたいな毛糸の腹巻をしていたものであった。
以来夏でも熱いそば、鍋焼きうどん、ビールは常温、酒は熱燗、焼酎は御湯割り。
冷たいもの、冷たいデザートは家内に食べさせる事にした。
ちなみに家内は鉄の腸で何を食べてもあたらないし、冷たいものが大好きで
冷たいものは幾ら食べても大丈夫なようである。
お腹をこわしやすいのは生まれつきと思って諦めていたのだが、
以来太いバナナのような立派なものが出るように成った。
お腹がすこぶる快調である。