お助け蔵

左官の長老に聞いた
昔は仕事がいつも豊富ではなく、遊んでいるしかない日もあった。
そんな時、出入りの旦那が声を掛けてくれたものだ。
蔵の漆喰の修理であり、屋根漆喰の修理だった。
漆喰は何層にも塗り重ねるので、旦那に分かるように色を変えて塗ったものだ。
この蔵をお助け蔵と呼んで拝んだものだったと。
かってはお大尽とか旦那と呼ばれる富裕層があった。
資産家である。
彼らにより、明治に来た、外国人が吃驚した、日本の職人文化、作品が保たれてきたと思う。
今は累進課税、相続税で資産家が少なくなってしまった。
特に相続税は税金の二重取りであろう。
これでは一所懸命働いて、子孫に財産を残すのは馬鹿馬鹿しいとも思う。
西郷隆盛は子孫に美田を残さずの遺訓を残したが
多いに残して有効活用するのもいいと思う。
日本の伝統的な職人文化が衰退の危機にあると思う。
税金をしっかり徴収している国家が旦那となり、職人文化を守って欲しいものである。
国家旦那論である。