長期優良住宅の普及の促進
日経アーキテクチュア2009.9.14号より
6月4日に長期優良住宅の促進に関する法律が施行された。
それを受けて、7月28日と30日に大阪と東京で
「世代を超えて住み継ぐ住まいとは~住宅の長期寿命化を考える」のテーマで
住宅フォーラムが開催された
30日の東京会場では建築家の隈研吾氏と作家の村上龍氏のトークセッションがあった。
隈氏は子供の頃に寝起きする家や目にする街は、その後の人生に大きく影響するとはなし、
「僕の家は塗り壁の土がぽろぽろ落ちる戦前の家でした。でもそこで育った事が今の自分にとって大きかったと思います」
「20世紀を代表する傑作住宅として、ル・コルビジュの「サヴォア邸」などが挙げられます。ぱっと見て素敵だし、写真うつりも最高です」
「それに対して、地味だけれども、とても住みやすいのが、かっての日本の民家です。
木や紙といった素材がとても繊細でしっとりとした質感が漂っていました。低い軒の町並みには、日本人の謙虚さが表れていました。」
「もう一回日本人の原点戻ることでしょう。徒然草でも方丈記でも、今の社会に通じる普遍的な
住まいの哲学を持っています。そうした哲学をもう一度呼び戻して、特にマンションのような都市部の大きな住宅に反映していけば、日本らしい文化を再構築できるのではないでしょうか」
素晴らしいご意見である。是非この哲学で設計をお願いしたいものだ。
少し気になるのは土壁の家に住んできたのに、かっての日本の民家が木と紙の素材で出来ていたという部分である。土がすっぽり抜けている。
徒然草、方丈記の時代の家には土の壁は無かったのであろうか。
隈氏の設計する建築には左官は必要が無いのかも知れない。
ここ日本文化の再評価の中で住文化もあらためて高い評価がされてきているようだ
しかしその評価の中で日本を代表するそうそうたる著名人が日本のかっての家は木と紙の家だったと言っているのはどういうわけであろうか。
正しく日本の住文化の紹介をしていただきたいものである。