木や藁や紙の家
産経新聞2009.4.2 裏千家家元 千玄室氏の「一服どうぞ」
テーマ「日本独自の文化に誇りを」読ませて頂いた。
全く同感である。
文化とは、民族の最適な生態系の表現でもある。
自然という過酷な環境の中で生き抜いていく為の民族の英知でもあると思う
千氏の言う通りそろそろ、日本独自の生活文化の誇りを取り戻す時期に来ていると思う。
日本人は今度の戦争に負けて自信をを失い、あまりにも多くの日本の文化を棄ててきたのではないか。
例えば、日本の食文化は皮肉も米国の調査で認められ、昭和20年、30年代の日本人が食べていた食事が一番人間の健康に良いと報告され、国策で日本食を奨めてきた。
現在日本では癌に罹る人が毎年増加しているのに対し、米国の癌の発生率は日本の半分にまで下がっているのである。
千氏の記事の中で気になる部分がある。
家の文化の記述であるが
「従来風土に合う木や藁や紙で作った家に住み、鎌倉時代には畳が家の中に用いられた。」
とある。
私は日本の家は壁は土で出来ていたと思うのだが、千氏の使用している茶室は土壁ではないのだろうか。
千利休の茶室は土壁であったはずである。
千氏ばかりでなく、有名な教育家の丸山敏秋氏もその著書「美しき日本の家庭教育」
に「日本の家は木と紙を材料とした伝統的な日本家屋でした」と記述している。
両氏に一度お会いして土の壁の記述をしない理由を聞いてみたいものである。
また設計家、ハウスメーカーにおいても居住空間の壁は木が人間に快適であるという理由で
木の板の壁ばかりの家、学校、保育所を作っている。
木の板だけの家は正倉院で代表される、物を保管する倉庫であり、神を祀る神社であると思う。
生命ある人間が居住する空間は土の壁であったはずである。
日本の住文化は木と土と草と紙の家であったと思う、日本の住文化を正しく伝えて欲しいものである。