薄塗りのしっくい壁

しっくいは珊瑚の化石である石灰岩を焼成してつくる。
石灰は糊を混ぜないと壁に塗れない。
日本に誕生したのは平安時代、紫式部の時代である。
木舞を芯にした土壁が誕生したのも平安時代。
漆喰壁は土壁の化粧と保護のために誕生したものと思われる。
平安時代の漆喰壁の糊は米糊で、米が貴重品のため、漆喰壁は
あまり普及せず、貴族でもせいぜい一間であった。
日本に普及するには江戸時代に糊材として海草の「角又」が
発見されるまで待つしかなかった。
「角又」は安価のため一気に庶民の家まで普及した。
防火の為の土蔵造りが代表的だ。
漆喰壁は土壁と一体となって、日本の高い湿気から、日本人の
健康を守ってきた壁である。
最近、漆喰壁が健康によいということで、漆喰の薄塗り壁が
出てきた。
漆喰の薄塗りでは高い湿気から日本人を守ることはできないのであるが
理解する人は少ない。
又、高い湿気が健康に最悪であることを知っている人も少ない。