木のぬくもりや温かみ

日経アーキテクチュア2007-4-9で熊本の小学校の記事を見た。
地場の無垢の杉の気を使い、
「木のぬくもりや温かみが感じられる満足できる校舎である」と言う校長の
コメントがあった。
外部の壁は珪藻土壁である。
中の壁はすべて木で出来ている。
かっての学校は壁は漆喰壁もあったのだが最近の建築は
ぬくもりと言えば木の壁しか考え付かないようである。
私は日本人が土の壁を利用してきた理由を3点考えてみた。

? 日本人は自然崇拝、自然を敬い、畏れ、神が宿るとして自然を大切にしてきた民族です。又、豊かな自然は、そこで生活する人間を守る働きがあります。100年の木を切れば育つまでに又100年かかります。自然を守り、人間を守る考えから無駄に木を伐採せず、守り育て自然と共栄してきたのだと思います。

? 日本の温帯モンスーン地帯特有である高温多湿の気候です。高い湿気はカビ、ダニ等を繁殖させて劣悪な居住環境の最大の原因となります。高温多湿を防ぐ壁として、色々な壁材を試してみて、土壁が日本の気候風土に一番適合していたのではないかと思います。又、土の中に藁を豊富に入れる事により土だけの壁より、より調湿性能を高め室内の湿度を60%以内に保つ機能を有する、住む人に気持ちの良い、命を癒す、命を守る、命を育む居住空間を作ってきたのだと思います。
 そしてこの湿度帯、相対湿度40~60%は、人間が快適と感じる湿度帯で有り、空気中の水分子は0.5~1ナノメーターの水滴になりマイナスイオン化しているわけです。
 日本の昔の木造家屋は今のアルミサッシと新建材だらけの家に比べれば家屋そのものが天然の除湿器であり、大変なマイナスイオン発生器を備え付けていたといえます

? 土は燃えない素材であり、火災から、住む人の命を守り、財産を守ってきたのだと思います。

土のぬくもりとやさしさを子供達に与えたいものである。