人が使うものは人がつくる
世界が認めたグランドセイコー(GS)
「メカニカルハイビート36000GMT限定モデル」
10月に日本の機械式腕時計として初めて、ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)?小さな針?部門賞を受賞した
1960年の誕生以来
常に「最高の実用時計」を追求してきた
正確で、見やすく、美しく、腕への装着感、そして長く使えること
搭載した最新ムーブメントは毎時3万6000回という高速振動により
安定した高精度を実現
24時時計を備え、時差がある二つの地域の時刻を表示する
?GMT機能?付としてグローバル社会にもふさわしいモデルである
「職人の手仕事と最新のテクノロジー
この二つを美しいデザインにまとめ上げたのが評価された」と
11月に工業製品デザイナーとして初めて厚生労働大臣より
「現代の名工」に選ばれた小杉修弘氏は語る
[GS]はこれからどのような進化をみせるのか
小杉氏は語る
「製造現場に相談した時に、作りやすいからいいんじゃない、というのは嫌ですね
ちょっと難しけどやろうよ、とならないと技術も技能も進歩しませんから
またどんなときにも日本のものづくりに対する誇りを忘れてはいけない
それは究極的には職人の技をなくさないということです
多くの時計メーカでは製造現場の自動化が進み、職人不在というケースが珍しくない
手作業を、つまりは人件費を減らすためです
でも昔から日本のものづくりは、宮大工にしても畳職人にしても
試行錯誤しながら職人が技能として身につけていくもの
「人が使うものは人が仕上げる」
それこそが「グランドセイコー」というブランドに秘められた唯一無二の価値です」
翻って現代建築は宮大工も、畳職人、建具職人、左官職人のいらないものつくりをしてきたのでは
手仕事はコストが掛かる故に伝統技能職人を使わない工業化工法が採択されてきた
左官の塗り壁が設計にあっても[VE]で、現場でコンクリート打ち放し
ビニールクロスに変えられてしまったものである
昨今の職人不足で建築業界は、PC工法、RC造りからS造りなど
さらなる省力化、工業化を進め様としている
また工法のマニュアル化を勧め熟練技能者なるべく使わない
簡単な工法への転換も図っている
セイコーには日本のものつくりの伝統は残っていくと思う
人が生活する、働く建築に
「人が使うものは人が仕上げる」
建設業界にもセイコーのような会社が現れることを期待したいものである