どうする職人危機
「どうする職人危機」 日経アーキテクチュア、4月25号の表紙である
連日のように、業界紙、雑誌に職人不足で、入札不調、工期が守れない、着工凍結
,
発注金額の見直し、事業ストップ、労務費高騰などの記事が載ってきている
その対策として、省力化工法のあの手この手の工法が花盛りである
設計をRCから,S造へ変更しての発注も増えてきている
外国人労働者の倍増計画もある
いくら省力化工法が進んでも、コンクリート工事をゼロにしない以上、型枠、鉄筋の職人は
ゼロにはならないのだ
究極の省力化工法は、コンクリート工事をゼロにした設計で有りその工法であろう
職人不足は、今のところ、型枠大工、鉄筋工の不足ばかりが言われているが
左官、大工といった、高度の技能を要する職種の不足は聞かれないようだ
熟練の職人は、団塊世代が一番多く、年季奉公で育成された世代である
5年間の年季奉公、1年間の礼奉公の6年間、賃金は貰えず、小遣いであった
この制度があったから、専門工事業者、親方、職人が弟子を養成できたのである
年季奉公という職人養成システムが崩壊した今
また、長年の建設不況で疲弊してしまった専門工事業界に職人を養成するする体力は残ってない
若者が入職せず、団塊世代が建設業からどんどんリタイヤしているのが、職人不足の根本原因であると思う
職人不足対策として、国交省は、社会保険に加入しない技能工を公共工事から締め出す
公共工事設計労務単価を年2回調査し迅速に反映させる等を打ち出しているが
この対策で若者の入職が増えたらたいしたものだ
職人不足は官民一体となり、発注、設計、ゼネコン、専門工事業がばらばらではなく
若者に魅力と夢のある建設業のありかたを構築することが大切ではなかろうか
大工、左官といった高度の技能は習得に最低5年は掛かる
リタイヤは一瞬、養成は5年なのだ
職人の高齢化が著しい今、残された時間は少ない