人手不足

人手不足
建設現場の人手不足 官民で対策急げ
日経の1月12日の社説である
型枠大工、鉄筋だけでなく全職種で人手不足になっている
技能の習得には数年掛かる職種も多く、すぐに職人の数は増やせない
高齢化も進んでおり、減少が加速する懸念もある
東京五輪も始まる、国土強靭化計画も始まれば、技能者不足はもっと深刻になるだろうと警告を発している
対策として共感させられたのは
工期に余裕を持って計画を立てよとある
確かに数字上は工期が倍になれば、職人は半分でいい事になる
緊急の職人不足対策としては名案である
職人不足対策として、福利厚生の充実、収入の安定を挙げている
対策としていま一つ共感できないのは、外国人労働者の受け入れ、現場で必要な技能者の数をなるだけ減らせるように建設機械の技術開発、組み立て工程の工夫が必要という
簡単にいえば効率化、工業化、機械化を急げということだ
職人不足は昨日今日始まったのではない、後10年、後10年とみんなで先延ばしにしてきた問題である。
少子化が進んだ現在、外国人の活用、さらなる機械化、省力化工法の開発などの小手先の対策で、伝統ある日本の建築技能の伝承、継承は出来るのだろうか疑問に思う
左官は昭和50年から建築の合理化により、塗り壁を無くされてきた
左官は壁を塗って儲けて、生きてきた技能集団である
現代の建築には、左官の塗り壁は皆無に近い、壁が無くて儲からなくなり、誇りも夢も失った
多くの仲間が廃業、転業し、左官人口は最盛期の30万から、5万人台にまで減少してしまった。
高齢化も著しい、平均年齢は60歳を超えている
これまでは、躯体業者の工期の遅れを左官がカバーして建築を完成させてきたが、今後は多分無理であろう
設計上左官技能者を必要としない現代建築なのだが、左官がいなければ、仕上げがストップすることに気がついている人は少ない
他の業種は、素人でもそれなりに出来る要素があるが、左官は100%左官でなければ出来ない
左官がいなくなって、建築がストップすることが無いことを祈るばかりだ
現場で働く職人が、儲かり、仕事が面白く、誇りが持てれば、黙っていても子供は親の後を継いで職人になると思う
父親が自分の職業の喜び、誇り、夢を、子供に語れるような建設業界にしたいものである