貧乏

編集手帳 2011.11.10
生活保護を受けている人が205万人を超えたという。
戦後の混乱期を上回り、過去最多である。
働く意欲はあるのに仕事が見つからない、働き盛りの受給者が増えているという。
悔しいに違いないと言う。
最も高齢者社会の影響もあると思う。65歳以上の高齢者世帯が4割を超えるという
ちょっと気になるのは働き盛りが増えているという点である。
貧しさを題材にした 川柳と短歌を紹介している。
「貧しさは時に罪なき子を叱り」
「少年貧時のかなしみは烙印のごときかなや夢さめてなほもなみだ溢れ出づ」
成人したのちも夢にまで見るほどにつらい記憶を世の子供たちに残したくない
と結んでいる。
小生は19年生まれ
日本が貧しかった戦後に少年時代を過ごした。
農家であったので米はあったが新米を食べた記憶はない。東北は飢饉があるので米を保存する
古米を食べてきた。
肉は殆ど口に入らず、魚も猫跨ぎと称する、猫も跨いで食べないような
塩辛い魚がたまに有ればいいほうである。
服はつぎはぎだらけ、垢の浮いた風呂に入ってきた。
小遣いは貰えなかったものでである。
父も母も働くのに懸命で、親子の会話などしたことも無い子供時代を過ごしてきた。
厳しい母で悪さをすれば、薪で叩かれたものである。
その厳しさを母の愛情とも知らず恨んだ事もあったが今は感謝の気持ちで一杯である。
母は身長が145cmしかない、小柄な身体である。
貧しい農家は農耕の牛を買うことはできず、一人娘の母は父母と約1ヘクタールの田圃を
鋤きで耕して米を作ってきた。
昔はは乞食がいた。
彼らは物乞いをして、一種の働きをして立派に生きていたと思う。
現代は安易に金を貰う、貰える風潮があるのでは。
世の偉人を見ると逆境の子供時代を過ごして来た人が殆どである。
貧しさは最高の教育でもある。
生物は順境の環境では滅び、逆境の環境でないと生き残る事は出来ないという。
この暖衣飽食の時代に生きる子供達に貧しさを味わさせたいものだと思う