商売と志

商売には「志」が不可欠だと常々自分自身に言い聞かせているが…

企業は利益を追求するがあまり大切な「志」を忘れてしまって、今までコツコツと築き上げてきた「信用」を失ってしまうケースが多々ある…

マスコミに大々的に報道され、大打撃を受けた有名な一流企業も少なくない…

それは他人事でなく、我々左官業界にも言えることで…過去を振り返ると分かる…

特に室内の繊維壁は、昭和50年代まで盛んに塗られていた壁であるが、日本の高温多湿な夏の気候風土に全く適応しない壁だった…

触るとボロボロと落ち、湿気によるカビの発生が問題となった…

それに対抗する代替商品として「ビニールクロス」が開発され、今もなお全国の新築、リフォーム現場で壁仕上げの主体をなしている…

当時の繊維壁の施工には果たして「志」はあったのか?住む人の為に…という使命感はあったのか?とても疑問である…

今後、左官業界として住む人々の為に…という「志」を失えば、また同じことの繰り返し…業界の存亡に繋がり兼ねない大きな問題だと思う…

我々が顧客に提供する壁は住む人にとって、意匠性やコストだけでなく、健康面やランニングコストも考慮した、必ず良いものでなければならないと思う…