建設産業の人手不足

建設産業の人手不足について
本田勝事務次官が
「毎年経済が良くなるほど問題が切迫してくる。産業改善の手を直ちに打っていくべき」と
日本工業経済新聞2014.8.8で述べている
もちろんそれもあるだろうが、根本的な問題は建設業に若者が入職しなくなって久しいものがある
そのために高齢化が進み、リタイヤする職人に供給が追い付かないことだ
リタイヤは一瞬、養成は最低5年である
経済がまた悪くなれば職人不足は解消するのだろうか疑問に思う
社会保険未加入問題が巷を賑わしているが、社会保険に加入すれば即若者が入職してくれるかどうかわからないと思う
社会保険加入は後継者募集には必要不可欠の条件であることは間違いないことだ、いまさら問題になるのは遅かったともいえる
もっと大きな問題は入職した若者を職人に育てるシステム、体制である
かっては徒弟制度、年季奉公とも呼ばれる職人養成システムがあったがいまはない
若者を一人前の職人にするにはそれなりの忍耐と苦労、そして徒弟制度がない現在
多くの費用が掛かる
建設業は官庁、設計業界、建設業業界、専門工事業界と多くの業界が関係する
職人がいなければ建築は完成しないのである
どの業界も職人を必要とするはずだが、職人不足の危機感に温度差があるようだ
職人養成システムが無く、多くの費用を必要とする現在において
専門工事業界にだけに職人養成を頼むではおかしいのでは
また公共工事を大幅に削減され、長い建設不況で疲弊した専門工事会社にその体力は少ない
根本はいかに入職した若者に夢と希望と誇りを与え一人前の職人に育てられるかであろう
建設に関係する各業界、若者が喜んで入職し、喜んで働き
一流の職人に育つような夢と希望と誇りある建設業界をつくることが重要と思う