ふるさとの山はありがたきかな

ふるさとの山に向かひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな(石川啄木)

我が故郷は岩手県花巻市の田舎である。

西に奥羽山脈、東に北上山脈お日様は山から出て山に沈んだ。

故郷に立って眺める山川は変わらず、眺めていると懐かしくてなぜかしら涙が滲んでくる。

故郷で変わったと思う一つに屋敷内の畑に野菜が作られていない。

草ぼうぼうか、少しの花畑に変わってしまっている。

子どもの頃農家は野菜は自給自足で買うものではなかった。

一年を通じてあらゆる野菜をつくっていたものだった。

無農薬で有機肥料の安心安全野菜で、健康にもよかったと思う。

姉に訊ねた。

親がつくった野菜は汚いと若い人が食べないと言う。

若い夫婦は野菜をつくらずスーパーで綺麗な野菜を買っている。

今は畑があるのに野菜をつくらない、野菜はお金で買う時代に変わってしまったと嘆いていた。

昔はお金が無く貧乏だったけど、

働く尊さとか心の豊かさを屋敷畑が子供達に教えていたと思う。